挑戦の経緯
2月。長かった医師国家試験の勉強から解放された私は、電話を片手にある資格試験を申し込んでいました。
その資格とは、「1級小型船舶免許」です。
小型船舶免許とは、プレジャーボートやクルーザーなどといった小型船舶の操縦に必要な資格。
2級と1級があり、どちらも20トン・24m未満の船を操縦できますが、2級では海岸から5海里まで、さらに1級があれば外洋航海ができるので、世界の7つの海を旅することができます。(諸条件あり)

出典 https://www.jmra.or.jp/license
そんな小型船舶免許ですが、実は意外と簡単に取ることができます。
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試験は、学科試験・実技試験があり、航行や船に関する基本的な知識が問われる学科試験、そして実際に船を操縦するのが実技試験といった構成です。
学科試験に関しては独学で勉強する人もいますが、実技に関しては大抵の人は教習所に通ったりして実習します。

出典 https://www.jmra.or.jp/license/license-examination
実は私は、以前からこの船舶免許に憧れていました。
もとより乗り物全般が好きなのですが、海原を自由に駆ける船のかっこよさは格別。港で大きな船を見たり、マリーナに停泊するクルーザーを見る度に「いつか自分も操縦してみたい!」と思い、免許を取るタイミングを探っていました。
でも免許を取ったところで、クルーザーを買うお金なんてありません。ましてや高額な維持費なんて……。
クルージングは思ったより身近
そんな「大金持ちの道楽」のイメージのある船舶免許ですが、実は思ったより身近に楽しめるのはご存知でしょうか?
実は、レンタカーのようにボートを借りてクルージングを楽しめる「ボートレンタル」サービスというものが普及しつつあるのです。
そんなレンタルサービス人気の火付け役となったのが、ヤマハの提供する会員制ボートクラブ「シースタイル」。
「ボートクラブ」と言えばブルジョワジーな雰囲気が漂いますが、要するに「レンタカー」と同じ感覚です。
3,000円程度の月会費を支払うことで、1回およそ4,400円〜くらいのお手軽な費用でボートをレンタルすることができます。それも、シースタイル艇が配備されたマリーナは文字通り全国「津々浦々」にあり、様々な場所で利用できるのも魅力。
ただし4,000円というのは、船外機のついた釣り船を半日レンタルする場合。キャビンやトイレのついたクルーザーで、家族や友人と航海を楽しみたいとなると、もう少しお値段は張ります。(例えば8人乗りのクルーザー、FR-23を休閑期にレンタルする場合、3時間で18,900円必要)
これに燃料代を入れれば中々の金額になるかもしれませんが、仲間うちで割り勘すれば費用もかなり安く抑えられます。
週末にゴルフコースに行けば1万、2万など簡単に飛んでいくもの。高額な運用費を払って自分の船を持たなくても、飲み会を我慢するくらいのお金でクルージングや釣りが楽しめるのです。
こうしたサービスがあれば、船舶免許を取得しても全く使い道がない、ということは避けられそうです。
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1級を受験することに
先ほども言ったように、船舶免許の取得は比較的簡単です。けれどもそれは2級に限っての話。7つの海を航海できる1級に関しては、やや面倒です。というのも、1級に必要な学科試験をクリアしなければならないからです。
この学科試験には、海図の問題も含まれており、三角定規とコンパスを使って船の進路を計算したりする能力も必要です。これがやや難関で、大抵の教習所では最低3日〜1週間程度の期間が必要。費用も10万円以上が相場です。
学科に関しても、独学ではちょっと難易度が高い1級。今すぐヨットで世界一周するわけでもないのに、わざわざ1級を取得するメリットがわかりませんでした。
しかし以前の英検シリーズの記事で、「高みに登らないと見えないものがある」「必要云々というのは言い訳」などと偉そうなことを並び立てた私。今さら「やっぱり2級でいいかなと思いました……」とはとても言えません。
また、膨大な勉強量が必要な医師国家試験を受験したという「謎の自負」もあいまって、気がついたら1級の受験を決めていました。
しかし、国試後、私に与えられた期間は1ヶ月のみ。卒業旅行や家探しなどもあり、十数万円もかけて1週間も教習所に通っているヒマなどありません。
合宿コースのある教習所「ベルゾン」
そんな時に見つけたのが、「ベルゾンボートライセンススクール」という教習所のウェブサイト。
なんとこの教習所では、2日間で1級免許を取得できるコースがあるのです。
「スペシャルチャレンジコース」という名前だけあって、事前に学科を独学し、1日目山中湖で実技講習、2日目は学科試験と実技試験という強行軍です。費用も8万円切りと超格安です。
私はその謳い文句につられ、早速申し込んだ私。後悔する暇もなく、早速教材が到着してしまいました。
果たして無謀な挑戦はどうなるのでしょうか。
(第2回に続く)
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