6日目:ハイチ・ラバディ寄港
水平線の向こうに、霞んだ陸地が見えてきました。
6日目。最後の寄港地となるのは、ハイチ共和国のラバディです。
またまた歴史の話。
プエルトリコ(前回記事参照)と同様、ハイチとドミニカのあるイスパニョーラ島は、15世紀にコロンブスによって発見されました。
元々は数多くの先住民族が住んでいましたが、スペイン人たちはは彼らを駆逐して入植し、植民地として搾取経営を繰り広げます。
その後、衰退したスペインに代わって島の一部を手に入れたフランスは、ここを「サン=ドマング」と称して植民地とします。今度は黒人奴隷たちを使役してガッポリ搾取していたフランスですが、18世紀末、本国にある重大な異変が訪れます。
それが1794年、フランスで始まった世界史上初の市民革命、フランス革命です。
旧体制を打開しようと始まったこの反乱は世界中に影響を与えました。
それはフランス本国はもちろん、植民地であったサン=ドマングも例外ではありませんでした。
奴隷としてこき使われていた黒人たちは革命に刺激を受け、自らの権利と自由を求めて立ち上がります。
そして1804年。反乱を起こし、最終的に勝利した彼らは、支配していた白人たちを駆逐します。彼らはサン=ドマングという名前を捨て、先住民が島を呼ぶのに使っていた「ハイチ」という名前を国名として掲げて独立。ついに黒人初の共和制国家となったのです。
それ以来、政治的混乱が続き、近年もハイチ地震に見舞われて多くの人が亡くなるなど、決して豊かな国とは言えないハイチ。その誕生には、そんな劇的な歴史がありました。
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ラバディとは
そんなハイチの小さな半島に、クルーズ会社であるロイヤル・カリビアン・クルーズが所有するプライベート・リゾートがあります。それが「ラバディ」。今回は、そのラバディに寄港し、上陸します。
紺碧の海に浮かぶ半島には、小さなビーチが点在。その手前に、整備されたクルーズ船用桟橋が見えます。
狭い航路を通り抜け、桟橋に着岸しました。
船の横には、ジェットスキーやクルーザーなどで歓迎する現地の職員たちの姿が。島の至る所に宝石のようなビーチがあり、真っ白な砂浜に強い太陽の日差しが降り注ぎます。
プライベートリゾートだけあって、ラバディには従業員と乗船客しか入れません。
お昼ご飯もクルーズ会社が提供しているので無料。プエルトリコ発祥のカクテル、ピニャ・コラーダも売られていました。
アクティビティ
ラバディにはたくさんのアクテビティが用意されており、ジェットスキーやカヌー、クルージングなど、様々なマリンスポーツが楽しめます。
が、今回参加するのはそういったアクテビティではありません。
ラバディの名物となっているのが、ジップライン(Dragon's Breath Flight Line)と呼ばれるアクティビティ。
アスレチックなどでたまにありますが、これは高いところに張られたロープを伝って、滑り降りるというもの。
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けれどもこのラバディのジップラインは、スケールが違います。
というのも、半島の尾根のスタートからビーチにあるゴールまで、その距離790メートルにも及ぶ世界一の超大スケール。高低差は……想像したくもありません。
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まずは係員の指示のもとでハーネスを装着し、小さめのコースでで練習してからスタート。これでも結構怖いのですが、いよいよトラックに乗ってスタート地点へ移動します。
頂上から見る景色は想像を絶する美しさ。きらめく青い海とビーチの向こうに、停泊する白亜のクルーズ船の姿を一望できました。
出航
アクティビティも無事に終了。ついに最後の寄港地を離れ、スタート地点であり最終目的地であるフォートローダーデールを目指します。
まだまだ乗っていたい気持ちがありますが、残された時間を楽しみたいと思います。