早慶戦について
先日、東京六大学野球の最終節、早稲田対慶應2回戦を、神宮球場に見に行ってきました。
東京六大学野球の秋季リーグ戦は、9月から開幕。春季シーズン優勝の慶應大学は、3期連続の優勝を賭けて戦いに臨みます。
この秋季リーグ最終節、実はかなりの混戦。勝ち点5の慶應、勝ち点4の早稲田、法政が上位にひしめく中、この早慶戦で優勝が決まるという重大な局面。
残念ながら、早稲田は前日の第1回戦で慶應に敗れ、優勝はなくなっていました。しかしこの試合で慶應が勝てば優勝が決まり、早稲田が2連勝(六大学野球は、先に2勝した方に勝ち点1が付く)すれば、慶應の優勝が潰え法政の優勝が決まります。
いざ、神宮へ
私が応援している早稲田は、ライバル慶應の優勝を阻止する為に絶対に負けられない一戦。しかし優勝がなくなった為か、試合開始前の外野席はややガラガラ。
私は、外野応援席のチケットを早稲田大学応援部の方に頼んで確保してもらいましたが、その必要はありませんでした。(何のツテだよ)
いよいよ試合開始。
まず慶應が先制するも、その後すぐに追いつく展開。
さらに慶應が追加点を挙げ、早稲田を突き放したかに見えたものの、その後、早稲田の猛攻で一挙5点を獲得。逆転に成功します。
しかし、戦いはまだ終わっていませんでした。
土壇場の9回表、慶應は一死満塁の絶好のチャンス。
早稲田に1点差に迫ります。さらにランナーは2、3塁。慶應に一打出れば逆転の場面です。
盛り上がりのピークを迎えた慶應の応援席と、祈る早稲田の応援部員。
しかし早稲田の長身ピッチャー、今西選手が間一髪で無事抑え、早稲田が逃げ切りました。まさに、手に汗握る展開でした。
早慶戦を見ての感想
コストパフォーマンスが良い
大学スポーツ全般に言えることですが、チケットは非常に安く、手に入りやすいです。その為、今回の早慶戦でも、プロスポーツの何分の1かの価格で、手に汗握る筋書きのないドラマを楽しむことができました。
早大の小島投手はプロ入りが内定しているほか、他の選手たちも大学トップレベルの選手たち。素人目には、うん千円を払って観るプロ野球観戦と大きく変わりありませんでした。
「リスペクト」と「爽やかさ」がある
東京六大学野球を運営しているのは、「一般財団法人東京六大学野球連盟」ですが、早慶戦をはじめ学生スポーツは、学生の活動による盛り上げがあってこそのイベント。
この早慶戦も、世間に知られた一大イベントだけあって、試合開始のかなり前から部活動やサークルなどがパフォーマンスをしたり、応援部員がデモンストレーションをしたりと、充実したイベントが企画されていました。
また肝心の野球部員たちも、ライバルの早稲田・慶應に負けまいと、プライドを賭けて死に物狂いで勝利を目指していました。
しかし、敵対意識だけでなく、試合前や試合後の「エール交換」はじめ、お互いがリスペクトを持って戦っているのもまた事実。
相手の校歌が流れる際は皆起立脱帽し、「フレフレ〇〇(相手校)」とエールを送ります。試合後も、早稲田側の応援席からも、敗れた好敵手、慶應ナインに対して盛大な拍手が沸き上がりました。
プロ野球・巨人阪神の伝統の一戦では、阪神ファンは「くたばれゴミ売り」と巨人を罵りますが、(これはこれで面白い)早慶戦ではお互いを讃えあいます。
この姿勢は実に美しく爽やかで、私が大学スポーツが好きな大きな理由の一つです。
出典 大学ポートレート
画像出典 Kanonの首都圏発見
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応援団・チアがとにかくカッコいい
私が野球に限らず、早慶戦を見に行く最大の理由がこれです。
早・慶両校は、日本でも有数の伝統ある応援団を有する大学。早稲田の応援部、慶應の応援指導部です。
そして両大学を含む六大学には、どれも素晴らしい校歌や応援歌、学生歌が存在しています。応援席では、
誰もが知る、「都の西北」や
巨人「闘魂込めて」阪神「六甲おろし」や、「栄冠は君に輝く」など、数々の名曲を作曲した古関裕而氏による「紺碧の空」、
精気溢れる慶應の第一応援歌「若き血」など、
名曲の数々をブラスバンドの伴奏を聞きながら、リーダーたちの華麗なテクや、チアリーダーの華やかなパフォーマンスを見ることが出来るのです。
青春を「人を応援すること」に捧げた応援部員たちはどんな時でも前向きで、こちらまで元気になるような明るさです。
「コンバットマーチ」の熱奏の中、怒涛の攻撃で早大が逆転した際には、観客席の熱気は最高潮に。
逆転後、チアの子たちが歓喜で涙している様子をみて、「この人たちは本気なんだな」と実感しました。