2019年箱根駅伝について
お正月の風物詩、箱根駅伝。東京・大手町から箱根・芦ノ湖のゴールまで、10人で襷を繋ぎ、長く起伏に満ちたコースを力走する姿は、毎年数々の筋書なきドラマを生みます。
そんな箱根駅伝が、今年も1月2日・3日に行われます。10月に行われた予選会の成績によって、出場する全23チームが出揃いました。
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2019年 第95回箱根駅伝出場チーム
シード権による出場校
青山学院大 ※11年連続24度目
東洋大 ※17年連続77度目
早稲田大 ※43年連続88度目
日本体育大 ※71年連続71度目
東海大 ※6年連続46度目
法政大 ※4年連続79度目
城西大 ※2年連続15度目
拓殖大 ※6年連続40度目
帝京大 ※12年連続20度目
中央学院大 ※17年連続20度目
前回大会上位のシード校は、伝統ある強豪校が揃い踏みしています。
予選会からの出場校
駒澤大 10時間29分58秒 ※53年連続53度目
順天堂大 10時間36分58秒 ※8年連続60度目
神奈川大 10時間39分16秒 ※9年連続50度目
国学院大 10時間40分38秒 ※3年連続12度目
明治大 10時間41分6秒 ※2年ぶり60度目
東京国際大 10時間41分15秒 ※2年連続3度目
大東文化大 10時間42分16秒 ※7年連続50度目
中央大 10時間42分55秒 ※2年連続92度目
国士舘大 10時間45分39秒 ※3年連続47度目
山梨学院大 10時間46分27秒 ※33年連続33度目
上武大 10時間46分51秒 ※11年連続11度目
関東インカレポイント枠での出場校
日本大 ※2年ぶり88度目
今回は第95回大会ということで、出場校が例年より2校多い23チームに。今年はインカレポイントでの出場校枠として、日本大学が選ばれました
これらの学校に加え、関東学連選抜を加えた以上の23チームで行われることが決定しました。
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今回大会の展望
優勝争いの行方は
青学大の栄冠は確実か
優勝の最有力候補はやはり、前回大会で大会新記録で4連覇を達成した絶対王者、青山学院大。今年は出雲・全日本を制覇し、箱根を制すれば5連覇・そして2度目の3冠という偉業を達成します。
選手層が厚く、豊富な優勝経験を有する青山学院。来年も盤石の態勢で、箱根5連覇の栄光に挑みます。
青学に挑む刺客、東洋大
前回大会では往路を制し、2年連続総合2位となった鉄紺の伝統校、東洋大学。前回の往路優勝に貢献した4年・山本修二(前回3区区間賞)をはじめ、昨年往路優勝メンバーを数多く残しているのが強み。
今年も盤石の絶対王者、青学大の牙城を崩し、5年ぶり総合優勝の栄冠をつかむことが出来るでしょうか。
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「強さ」を身につけられるか?東海大
5キロのタイムが13分台のスピードスターが勢ぞろいする、前回大会5位の東海大。出雲では3位、全日本では2位と、箱根を優勝しうる実力を兼ね備えながら、長距離レースでの弱みを克服しきれませんでした。
今回は長距離区間での強みを増すためにトレーニングを積み、速さだけでなく「強さ」をも追い求めた東海大。悲願の初優勝に向け、黄金世代が栄光の箱根路に挑みます。
予選会トップの平成王者、駒大
4連覇を経験したこともある平成の駅伝王者、駒澤大学。近年は不本意な結果を残すこともあり、前回大会もシード落ち。そんな駒大は、予選会でプライドを見せつけます。2位の順大を大きく突き放す走りで予選会トップの快走。
いよいよ平成最後の箱根駅伝。一気に上位候補に躍り出た駒大は、勢いに乗り、平成駅伝王者の名に恥じぬレースを展開できるでしょうか。
勝負の結果は当日が終わってみないとわかりませんが、今回のトップ争いはこちらの4校なのではないかと予想します。
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激しさを増すシード権争い
例年ドラマを呼ぶシード権争い。そんなシード権争いの有力候補はどの大学になるのでしょうか?
駅伝の古豪・順天堂大学
11回の優勝を誇る古豪、順天堂大学。予選会2位という堂々の成績で突破しています。前回大会ではわずか14秒の差で11位に終わった順大ですが、注目は絶対的エースでリオ五輪学生オリンピアン、塩尻和也(4年)。
「学生最強」とも呼ばれるランナーで、オリンピック出場経験もある塩尻和也(4年)。全日本では9人抜きで区間賞、予選会では日本人トップの快走で本選進出を導きました。しかし、不本意な結果になった前回大会をはじめ、まだ箱根での区間賞はなし。エースに集う2区で、その実力を見せつけることが出来るのでしょうか。
また、5区のエキスパート、「山を攻める」と書く山田攻(4年)も安定した力を誇ります。
歯車がうまく噛み合えば、シード権獲得はもちろん、上位争いに食い込む可能性も考えられます。ここ最近優勝から遠ざかっている古豪、順大。その奮起に期待がかかります。
雪辱を晴らせるか、神奈川大学
全日本で青学を破り、優勝まで予想された神大の前回大会。結果は振るわず、シード権を逃すという結果に終わりました。前回大会のエース、鈴木健吾が抜けた中で、主将の山藤が引っ張るチームで下級生が実力をつけ、予選会も余裕の突破。
今年の全日本は10位に終わりましたが、悔しさをバネに、今回大会でのシード権獲得を目指してひた走ります。
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主役はオールドルーキー?箱根の新星・東京国際大学
個人的に応援しているのが東京国際大。ブルーのユニフォームが青空に映える東国大は、まだ出場3回目、今大会が初の連続出場となります。
注目なのが2年生の渡辺和也選手。実はこの選手、一度実業団に入団し、その後東京国際大に再入学したという異色の経歴の持ち主。
チームトップの実力を誇るこの30歳のオールドルーキーは、貯金を切り崩しながら練習に励み、後輩として掃除をこなし、オフには居酒屋で先輩(後輩?)の相談に乗ったりしているそうです。
シードも狙える実力をつけた東京国際大の今年に注目です。
学連選抜の注目選手
本選出場がかなわなかったチームの中から、予選会上位のメンバーで構成される学生連合チーム。チームメートの思いを託され、あくまでも参考記録しか残らない「記録無き箱根」で襷を繋ぎます。そんな学連の、一押し注目選手を紹介します!
東大のエリートランナー、4度目の正直へ
予選会を47位のタイムで快走した近藤秀一選手(4年)は、なんと天下の東京大学出身。1年生時から学生連合チームに選ばれ、出場が見込まれていながら、ぎりぎりのところで出場が叶いませんでした。3年時は出場を目前にしながら、インフルエンザで欠場。
4年生として迎える今回大会は、「4度目の正直」。学連のエースとして、東大のプライドとチームメートの思いを背負い、ライトブルーのユニを身にまとって箱根を駆け抜けます。
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定番の観戦スポット(随時更新)
そんな激戦が予想される今回の箱根。コタツでミカンを食べながら観戦するのも良いですが、実際に沿道に立ち、選手の走る”風”と応援の雰囲気を感じるのも素晴らしいものがあります。応援にふさわしい、定番の観戦スポットを紹介していきます。
芦ノ湖のゴール地点
山を駆け抜ける各校のエキスパートたちが集う5区は、最後まで順位が分からない難所。
大会当日の往路芦ノ湖のゴール地点は、そんな5区の選手たちの雄姿を見届けようと多くのファンが訪れます。
各校の応援団が集結する中、ゴールとともに号砲が打ちあがる雰囲気は臨場感たっぷり。
不動の人気観戦スポットだけあり、当日のホテル・旅館は大高騰。芦ノ湖に至る道路も大渋滞します。
人でごった返す芦ノ湖へのアクセスは簡単ではありませんから、箱根湯本~芦ノ湖までの沿道で待ち受けるというのも一つの選択肢です。
人が少ない山道で応援するのもありですが、それはそれで気合が必要でしょう。
復路・大手町ゴール地点
もう一つの定番といえば、大手町のゴール地点。仲間の汗と思いが浸み込んだ襷が、ついに大手町へと帰ってきます。
監督にアンカーを任されたエースたちが、苛烈なシード権争いを繰り広げるのもこの10区。大手町のゴールテープを切るまで、シード権の行方は分かりません。
ゴールテープ付近は報道陣や観客でごった返しているので、日比谷や銀座あたりで観戦するのも一つの手。都心だけあり、コースへのアクセスが便利なのもポイントですね。
観戦ポイントは、随時更新・追加していきます。
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ランナーの「風」を感じたくなったら
とはいえ、お正月にわざわざ人ごみに出向くのも大変、でも選手たちのスピードと青春を感じたいという方もいるでしょう。
そんな方は、この作品を読んでみるのがオススメです。
弱小校の寄せ集め部員10人で箱根駅伝を目指す青春小説、「風が強く吹いている」(三浦しをん 著)。
天才ランナーでありながら、問題を起こして陸上を辞めていた「蔵原走(かける)」。将来を有望視されながら、故障によって道を断たれかけていた「清瀬灰二(はいじ)」。その2人が陸上の弱小校、寛政大学で出会い、仲間とともに箱根駅伝を目指します。
まさに十人十色、個性豊かな部員がそれぞれの思いを背負い走る姿は感動を呼びます。「走る」ということに迫った三浦しをんさんの心理描写の功緻さと、綿密な取材に裏付けられた、臨場感あふれる駅伝シーンは圧巻。
まるで自分が彼らと一緒に走っているような気分に浸ることのできる、爽やかな青春小説です。
映画化もされています。
駅伝を舞台にした作品を読むことで、本番大会もさらに楽しめること間違いなしです。