クルーズ・船舶免許

船で行く奄美大島への旅日記。マルエーフェリー”A''LINE”で行くスロー船旅の魅力とは

はじめに

今回の記事

フェリーに乗って「奄美大島」へ。船旅でしか味わえないのんびりとした時間を過ごしてきました。

しぶりに長い休暇を取ることが出来たので、旅行に行ってきました。今回の旅の目的地は、南西諸島に浮かぶ鹿児島県の離島「奄美大島」

 

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奄美大島は、九州南方の東シナ海に浮かぶ人口4万人ほどの島。いわゆる「奄美群島」の中心となる大きな島で、その雄大な自然を目当てに沢山の観光客が訪れます。

羽田や那覇から飛行機で訪れる人が大多数なのですが、今回は少しユニークな行き方をしてみました。

その方法とは、鹿児島発着の定期船「マルエーフェリー」。鹿児島港を起点に、奄美大島〜那覇まで、奄美の島々を結ぶ船便です。

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きっかけ・プラン

そのきっかけは、以前沖縄に行った際、那覇の「ジャッキーステーキハウス」を訪れた時のことです。

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行列の待ち時間を持て余し、偶然海沿いを散歩していたところ、港に大きなフェリーが着岸していました。

慌ただしく出港準備を整えるその白い船体には、「A''LINE」の文字が。奄美群島を結び、遠く鹿児島まで向かう、マルエーフェリーの船でした。

鹿児島航路

A-LINEの航路(出典:https://www.aline-ferry.com/kagoshima/)

マルエーフェリーは、大阪や九州、東京などから南西諸島へと旅客船・貨物船を運航する海運会社。

奄美の美しい島々を海から訪れるというコンセプトのもと、島での宿泊+フェリーがセットになったお得なツアープランを展開しています。

船旅が出来て、しかも料金もリーズナブルとこれば、試してみない選択肢はありません。今回選んだプランは、鹿児島発着で奄美大島に1泊滞在する「奄美deパック」

他にも、与論島や沖縄など、宿泊・フェリーがセットになったプランが用意されています。

忘れられない旅に出かけよう。

出典:https://www.aline-ferry.com/

出発

今回の船旅の出発地は、鹿児島港。船に乗るために、まず東京から空路で鹿児島へ向かいます。東京から鹿児島までは、およそ2時間弱。

鹿児島空港からバスで鹿児島中央駅に向かいます。

鹿児島新港へ

噴煙を上げる桜島を横目にみながら、鹿児島新港ターミナルへ。ターミナル駅である鹿児島中央駅からは、タクシーで10分程度で到着します。

フェリーの出港は午後6時。目的地は奄美大島の中心街、名瀬港。日をまたいだ、およそ11時間の船旅です。

港には、今回乗船する「フェリー波之上」の船姿が。2012年に進水した、総トン数8072トン、全長145メートルの大きな船です。

ちなみに、本船の先代にあたる「フェリーなみのうえ」は、引退後に韓国に売却され、韓国沖で沈没事故を起こしたあの「セウォル号」となりました。

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出航

ボーディングブリッジを渡り、いざ乗船します。

乗船客の多くは地元の方が多く、特に中高生の団体とか運送業の方が多い様子。僕のようにカメラをぶら下げたモノ好きな観光客は少数派のようです。

午後6時。太陽が低くなり始めた頃、船は静かに岸壁を離れました。鹿児島新港を後にして、一路、船は目的地の奄美群島を目指します。

船内設備

出航後、「フェリー波之上」の船内を散策してみます。

客室

まずは滞在する客室から。今回利用したのは、フェリー波之上の中でも2部屋しかない特等船室。浴衣やアメニティなども備え付けられた、まるでホテルのような豪華な客室です。

特等室は浴衣・タオル・歯ブラシなどのアメニティも完備

ちなみに客室には様々な種類があり、雑魚寝の2等船室から2段ベッドの部屋、1人用の個室などがあります。

特等船室というと「高いの?」と思うかもしれませんが、3泊4日のツアー費用は5万円程度。

移動(特等客室)+ホテル宿泊(朝食2回付き)+2日分のレンタカー代金を含んでいることを考えると、非常にリーズナブルだと言えるでしょう。

 

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ロビー

ロビーにはホテルのようにフロントがあり、ソファ、テーブルなどが備え付けられています。ロビー付近では無料のWi-Fiを使うことが出来るので安心です。

レストラン

船内には、食券式のレストランもあります。営業時間は朝昼晩で決まっており、黒豚とんかつや鰹飯などのご当地メニューをはじめとして、様々なメニューが用意されています。

往路には、奄美大島名物の「鶏飯」の具を鰹にアレンジした「鰹飯」をいただきました。

デッキ

天候が穏やかな際には、外部甲板を散策することができます。心地よい潮風を浴びて外を歩くのは、船旅の醍醐味の一つ。船が進んでいくにつれ、陸地が水平線の彼方に遠ざかっていきます。

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シャワー

特等船室にはシャワーやトイレが設備されていますが、それ以外の部屋は共用となります。「フェリー波之上」には男女別の共用シャワー設備があります。

特等船室のバスルーム

奄美大島に到着

11時間の航海の末、いよいよ奄美大島に到着。真っ暗な空の遥か彼方に、かすかな街の灯が見え始めました。

水平線の向こうに名瀬港の灯火が見えてきた

いよいよと言っても、着いたのは朝の5時。到着したというより、「気持ちよく寝ていた所を叩き起こされた」と言ったほうが正しいかもしれません。

まだ暗い中を、今回宿泊する「山羊島ホテル」へ。港から程近いところにある、展望露天風呂を備えたホテルです。

早速車を走らせ、絶景スポットとして有名な「高知山展望所」へ向かいます。

しかし、空は分厚い雨雲に覆われており、展望所から見えるのはこんな景色。

期待していた美しい海と島々の景色は味わうことが出来ず、今度は住用地区の方へと車を走らせました。

この住用地区には、広大なマングローブの森が広がっており、カヌーでその密生地に行く事が出来るのです。

間近で見るマングローブの森の迫力は圧倒的。モスグリーンの川をカヌーで渡っていく体験は、まるでディズニーのジャングルクルーズのようでした。

しかし、ここでも容赦なく雨が降り注いできました。

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悲報に接する

せっかく奄美大島に行ったのに、天候は散々。そんな憂鬱な気分に追い討ちを掛けるように、ある一本の電話が入ります。

「天候不良により、帰りの便が欠航になりました」

予報では、1時間に10ミリ以上の雨が降る荒れた天気になるとのこと。安全を考えると、夜の便は欠航にせざるを得なかったようです。

そこで救済手段として、乗船予定だった日の早朝に出発する臨時便が運航されることになりました。

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帰路

乗船するのは、前日の夜に那覇を出て、翌朝奄美大島に到着する便。

本来ならば夜に奄美に到着し、翌朝鹿児島に到着するはずだった便ですが、今回は朝に奄美に到着し、日中およそ10時間をかけて鹿児島へ向かいます。

名瀬港のターミナルに「フェリー波之上」がやってきました。

日中の船旅を楽しむ

ほぼ終日航海となったので、日中のクルージングを楽しみます。クルージング船と違って、船の上にカジノや映画館があるわけではないですが、ゆっくり過ごすのも船旅の魅力。

レストランで食事をした後は、甲板に出て心地よい潮風を感じ、コーヒーで一息入れた後はお昼寝…。そんな夢のような生活が実現できるんです。

もっとも、今回は臨時便で日中の航海だったものの、通常の奄美→鹿児島航路は夜間便であり、日中のクルーズを楽しむ余裕はあまりありません。

明るい時間帯のクルーズを楽しみたい!という方は、那覇から乗船する必要がありますね。

特等船室の窓からは、船首方向の景色を望める

遠くに奄美群島の島々を望む。過ぎ去る島々に思いを馳せるのも楽しみの一つ

帰着

遠くに開聞岳が見え始めると、徐々に九州最南端・大隅半島の姿が目前に広がってきます。

その頃から空は急速に暮れ始め、いつしか空は真っ暗になっていました。

気がつくと、水平線の彼方にきらめいていた小さな街の灯は輝きを増し、目の前に大きく近づいてきました。

長い航海の末、ついに鹿児島港へ到着です。

感想

今回は、フェリーを使って奄美大島に行ってきました。

飛行機を使えば、那覇からあっという間に到着してしまう奄美の島々。船で行くと、その何倍もの時間がかかってしまいます。

しかし、船旅だからこそ味わえる魅力もたくさんあります。

移動中の食事や、デッキや窓から見える青い海。目的地が近づいてくるというワクワク感もあります。

あえて海路というスローな方法を用いることによって、移動を手段としてではなく、旅そのものとして楽しむことができました。

飛行機と違って、ゆったりとした旅を楽しむことができるフェリーの旅。

ただし一つ注意が必要で、それは船は波や風といった気象条件によって運航が左右されやすいという点。欠航などのトラブルに遭遇しても大丈夫なように、旅行計画には余裕を持っておく必要がありそうですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

リンク

A''LINE |マルエーフェリー株式会社・奄美海運株式会社

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Dr.974

神奈川県出身の20代精神科医。「クリエイティブに生きる」をモットーに、サイト運営・小説執筆・写真など、種々の創作活動をしています。 海が好きで、休日は海沿いの温泉街に行くのが生きがい。お気に入りの町は熱海。

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