こんにちは。ブログTOKYO STORYオーナーの974です。
今日は、「英語のリスニング力を向上させる」という内容で記事を書いてみました。
はじめに
英語の資格試験でも、実際に英語で会話をする場面でも、絶対に欠かすことの出来ない「リスニング力」、つまり「聞く力」。
センター試験、英検、TOEIC、TOEFL。どんな英語の試験でも、必ずリスニング形式の問題が出題されます。裏を返せば、リスニング力はそれだけ重要な能力だということです。
相手が何を言っているかが聞き取れなければ、意思疎通は出来ませんから、リスニング力が重視されるのは当然の事と言えます。
しかし、このリスニング形式の問題。多くの日本人学習者の中でも、苦手とする人は多いのではないでしょうか。
僕も、リスニング問題に苦戦していた学習者の一人でした。
じっくりと問題文を読むことができるリーディングと違って、リスニングは次々に流れていってしまうし、引き返して聞き直すことができません。
「速すぎて聞き取れない」「大事な所を聴き逃してしまう」といった問題に頭を抱えていました。
ですが、試行錯誤を重ねてトレーニングを重ねるにつれ、苦手だった僕も少しずつ英語を聞き取ることが出来るようになってきました。
その結果、英検1級やTOEIC、TOEFL iBTなど、難関とされる英語の資格試験でもほぼ満点近い成績を取れるようになりました。
リスニング力の鍛錬には、特殊な超能力は必要ありません。ほんの少しの工夫とコツを掴めば、誰でも出来るようになるのです。
この記事では、僕が実践したリスニング力の鍛え方について紹介していこうと思います。
リスニングとは
リスニングの本質
そもそも、リスニングってなんでしょうか。
英語で「listen」とは、「耳を傾けて聞く」という行為を意味します。つまり英語のリスニング問題とは、英語を聞いて理解する問題のことですね。
「当たり前のことを言ってるんじゃねえよ!」
そう思う方もいるかも知れません。ただ、ここが非常に重要な点なのでよく聞いてください。
リスニング問題の本質は、「英語を聞いて理解する」という事です。「聞く」事だけではありません。
リスニング能力で悩んでいる人の多くは、「耳がついていけない」「英語が聞こえない」と訴えます。けれども、そんなことってあるのでしょうか。
聴力がごく正常であれば、「英語が聞こえない」なんてことは起こり得ません。英語じゃなくて、スワヒリ語だろうとマレー語だろうと、「聞く」ということは誰にでも出来るはずです。
じゃあ、なぜ「英語が聞こえない」のか。それは、英語を聞いて、「言葉として理解する」ということが出来ていないからです。
「理解する」とは
英語を理解するとはどういうことなのか。わかりやすくするために、日本語を例に説明してみましょう。
例えば、「跳梁跋扈(チョウリョウバッコ)」という四字熟語があります。悪者などが好き放題にのさばる、といった意味合いの熟語ですが、読み方が呪文のように難しいですよね。
突然、誰かにそんな言葉を言われても、一瞬「チョウリョウバッコ?ああ、跳梁跋扈か」と意味を把握するのに時間が掛かるかもしれません。
脳内のイメージを図解すると、こんな感じです。
「chouryoubakko(耳に入った意味の分からない音記号)」→「チョウリョウバッコ」(脳内で処理して文字列に変換)→「跳梁跋扈(意味のある熟語)」
「跳梁跋扈」に限らず、どんな言葉においても、人は耳から入った音声データを脳で処理し、それを言葉として把握するからこそ、意味を理解することが出来るのです。
リスニング問題で必要な「聞く力」というのは、聴力検査で測られる「何dBの音を聞く力」ではなく、「英語の音声を処理して文字列に変換し、最終的に意味のある言葉として理解する」という力のことなのです。
この本質が分かっていなければ、いつまで経ってもリスニング力は向上しません。
では、その本質を理解した上で、どうすれば本当の意味でのリスニング力を鍛えることが出来るのでしょうか。そのための5つのメソッドといくつかの裏ワザをご紹介します。
ポイント
リスニングの本質は「音声を文字に変換し、言葉として理解する」こと!単に「音を聞く」ことではない!
スポンサーリンク
真のリスニング力を鍛えるには
①シャドーイング
「シャドーイング」とは、簡単に言うと流れてきた英文を声に出して復唱するトレーニングです。
やり方は簡単。音声を流して、流れた文に続いて声を出して音読するだけ。この際、スクリプトなどは見ないで音読してみましょう。
このトレーニング、教育現場では頻繁に使われる王道メソッドですが、実際どのような意味があるのでしょうか。本質に立ち返って考えてみましょう。
リスニングのプロセスは、「耳に入力された音記号を文字列に変換し、さらに意味を理解する」とお伝えしました。
このシャドーイングは、耳に入ってきた音声を口に出して復唱する練習です。つまり、「耳に入力された音を文字列に変換し、発音する」というプロセスが試されるわけです。
例えば、意味の分からない中国語がスラスラ流れてきても、「ファンフォンシェンティアン……」と意味不明の音に聞こえるだけで、それを真似して正しく復唱することって難しいですよね。実際に口に出して復唱するためには、「音声データを文字列に変換する」もう少しざっくり言えば、流れてきた英語の音を「言葉として認識する」ということが必要なのです。
シャドーイング能力を鍛えれば、少なくとも流れてくる英語が「まるで意味不明の音声にしか聞こえない」ということはなくなるはずです。
②速読
続いて、僕が恩師の先生におすすめされた方法に、「速読」という練習法があります。
これは書いて字の如くで、「英文をスピードに乗って正しい発音で音読する」という方法。
当たり前のことかも知れませんが、正しい発音が分からなければ、「音声を文字に変換する」という作業は出来ません。
例えば、「月極(つきぎめ)」という日本語を例に説明してみましょう。「げっきょく」などと読み間違えられる事の多いこの熟語。
あなたもそう勘違いしていたとしましょう。誰かが「つきぎめで駐車場を借りたんだけどさぁ〜、」と話していたのを聞いて、「月極」という言葉が思い浮かぶでしょうか?
「月極」を「げっきょく」と間違って覚えていたならば、「つきぎめ」という音を聞いても「ツキギメって何だ?」と理解できず、困ってしまうはずです。
これは英語でも同じで、正しい発音を覚えていなければ、音声を正しく文字として理解することは出来ないのです。
つまり、「読む」という行為は即ち「聞く」という能力に直結するということです。
特に、英語は発音が滑らかな言語なので、単語の発音を理解していても連続した文章になると変化する場合もあります。
例えば、「I want you.」は「アイ ウォント ユー」ではなく、実際は「アイウォンチュー」という発音で読んだりしますよね。
しっかりとスピードに乗って文章を音読することで、こうした発音の連続性による変化も含めた正しい発音を習得し、「音声処理プロセス」の能力を向上させることが出来ます。
この時、効果的なのはただ闇雲に音読するのではなく、「意味を理解しながら音読する」ということ。そう心がけることで、「音声処理」だけではなく、「文字列→意味のある言葉として理解する」という読解のプロセスも練習できるので、リスニングに必要な能力全てを鍛えることが出来ます。
ポイント
「シャドーイング」と「速読」はリスニングの基礎練習!
「速くない」と脳を錯覚させる裏ワザ
③高地トレーニング法
いろいろな方法を説明しましたが、やはり実際にリスニングに取り組んでみると「文章がどんどん流れて先に行ってしまう」「速すぎてついていけない」といった悩みは尽きないのではないでしょうか。
どうにかして、速いリスニング問題の英語を「ゆっくり」だと思って聞くことは出来ないか。そう考えて、僕が編み出したある裏ワザをご紹介します。それは、今困っているスピードや難易度のリスニングより、さらに高いレベルの教材を使ってトレーニングするという方法です。僕は「高地トレーニング法」と呼んでいます。
僕が高校生だった時の話です。僕は英検1級を目指して、日々リスニング力の向上に努めていました。英検1級のリスニング問題は5分近い長文が流れることで有名で、スピードも早め。一生懸命練習しましたが、毎回スピードについていけず、一向に成績が上がりませんでした。
実際の試験でもリスニングで惨敗し、撃沈。「こんなの無理だ!」と思っていた矢先のことでした。
僕は学校のプログラムで、アメリカの学校に短期留学する機会を得ることができました。
いざアメリカへ。僕は意気揚々と、初日に行われたホームルームに参加しました。留学生に向けて、先生が矢継ぎ早にオリエンテーションをしていきます。食事の場所と時間、寮のルール、授業の受け方……。非常に重要な内容を説明しているにもかかわらず、僕はまったく聞き取れません。それもそのはず、先生は英検1級のリスニングよりも速い英語を、30分近くにわたって喋り続けていたのです。
最初はチンプンカンプンでしたが、毎日耳をかっぽじって聞いているうちに少しずつスピードに慣れていきました(先生の説明を聞き取れないと、まともに学校生活ができないという危機感があったのです)。
1ヶ月の留学を経て帰国してから、僕は再び英検1級のテキストを開き、リスニング問題を解いてみました。すると衝撃的なことに、1級のリスニング問題が非常にゆっくり聞こえ始めたのです。
「何だこれ。CD音源で雑音もないし、そんなに速くもないし、たったの5分かよ」
生活を懸けたホームルームのリスニングで鍛えられた私の耳には、英検のリスニングなどすでに敵ではなくなっていたのです。
これはひとえに「より高いレベルに慣れたから」ということに尽きます。マラソンの大会前に高地トレーニングをするように、あえて限界より上の過酷な状態に追い込むことで人は適応し、さらに成長します。
この方法、かなり効果的なので、騙されたと思って、一度試してみてください。
ポイント
「高地トレーニング」で耳をスピードに慣れさせる!
スポンサーリンク
要点を聞き逃さないテクニック
シャドーイングや速読、高地トレーニングで、英語をしっかりと聞いて処理する「英語耳」を手に入れたとします。しかし、リスニング問題の壁はそれだけではありません。
リスニングのよくある悩みの一つに、「要点を聴き逃してしまう」という致命的なエラーがあります。
それもそのはず、ただでさえ疲れる試験中に延々と流れてくるリスニングの英文から、必要な情報だけを抜き取ることは難しいからです。日本語の授業であっても、1時間ずーっと話されたらぼうっとして聞き逃してしまうこともありますよね。
要点を聞き逃してしまう。そうした問題を解決するには、戦略的なアプローチが必要になってきます。
④「木」を見て「森」を見よ
僕がよく使う戦略の一つが、情報を二つのタイプに分けて聴取する「木と森アプローチ」です。
「木と森」とは何でしょうか。
文字通り、森林を思い浮かべてください。一本の木が集まって、森の形になっていますよね。
よくあるリスニングの問題には、大きく分けて2タイプの問題があります。それは、「森」と「木」タイプの2つ。
「森タイプ」とは、木がたくさん集まった森のように、漠然とした問題のことです。「この会話はどこで行われているか」「話者は何をしているか」といった、「文章の大まかな内容を問う」タイプです。
一方「木タイプ」とは、一本の木それぞれのように「何時にバスが出るか」「支払い金額はいくらか」といった具体的なポイントを問いかける問題です。
森タイプの例
会話の大まかな内容、場所、シチュエーションなど
木タイプの例
バスの時間、商品の価格など
この木タイプと森タイプ、リスニング問題に立ち向かう際には意識しておいて損のないポイントです。空港での会話の問題を例にして解説してみましょう。
例題
A:おはようございます。荷物を預けたいんですが。
B:はい、ABCエアラインへようこそ。こちらに荷物を置いてください。フライトは何時の便ですか?
A:9時のJFK空港行きです。
B:荷物は1点ですね。重さが10キロを超えると追加で費用がかかります。超過1キロごとに1ドルです。
A:僕のは何キロですか?
B:21キロです。
A:えっ、そうなんですね。
B:それから、20キロを超えると5ドルが追加でかかります。梱包が必要ならば、2ドル必要になります。
A:わかりました。梱包は要りません。
質問1:この会話はどこでの会話だと思われますか?
質問2:Aさんは荷物の料金を何ドル払いますか?
質問1に関しては、答えは「空港」であるということが容易にわかります。会話をぼうっと聞いていたとしても、「エアライン」「便」「空港」などのワードが次々に出てくるので、空港のカウンターでの会話であろうということが大体想像できますよね。
しかし、質問2に関しては、計算を必要とする具体的な数値が次々に出現します。「超過料金が1キロいくらか」「20キロを超えると5ドルかかる」「梱包料金は2ドルだが、Aさんは梱包は必要ないと述べている」など、一部を聴き逃してしまうと正しく計算ができなくなるような情報が飛び交います。
「森タイプ」に関しては一部を聴き逃しても解くことができますが、「木タイプ」に関してはそうはいきません。しっかり注意深く聞いていなければ、大事な情報を逃してしまいます。
そのため、リスニング問題を解く際には、問題文や選択肢の内容から推測し、「木タイプ」「森タイプ」かどうかを判定して区別しておきましょう。「何時何分」「何ドル」といった具体的な情報を問う問題に関しては、予め心の準備をしてピンポイントの情報を探す。森タイプの問題は、全体を意識して大意をとる。そう聞き分けることで、「ぼうっと聞いていたら終わっていた」ということは防げるはずです。
「備えあれば憂いなし」「算多きは勝つ」そう言われるように、リスニングも事前に聞く準備が必要なのです。
前提として「問題文」を予習しろ!
ちなみに、木タイプと森タイプを判別するためには、問題文を事前に読んでおく必要があります。
試験が始まったら、本文が再生される前に配られた問題用紙をざっとみて、大まかにどういうトピックなのか、木なのか森なのか、といった問題の内容を判別し、チェックしておきましょう。
リスニング問題の中には、問題で問われる内容(質問文)があらかじめ印刷されている問題もあります。その場合は予習が非常に有効になります。
例えば「Aさんは何ドル払いますか?」という先ほどの例題があったとしたら、それに注目してお金の情報は耳をかっぽじって聞いておくのです。
リスニングも行き当たりばったりで聞くのではなく、スキマの時間を利用して問題を予習しておくのがいいでしょう。(予習に夢中になって、問題を聞き逃さないように…。)
スポンサーリンク
上手にメモを取れ
TOEICなどの一部の試験をのぞき、多くの英語の試験ではリスニング問題中にメモをとることができます。リスニングの際には、メモを活用しましょう。
「メモを取る」という行為。リスニングの試験では邪道のように思われてしまうかもしれませんが、実はスコアをブーストするのに非常に有効なメソッドです。
先ほどお話しした「木タイプ」の問題では、具体的な数値などをしっかりメモしておく。それに限らず、会話の内容を全体的に記録しておく。こうしたメモを取ることで、聞き逃しを極限まで少なくすることができます。
「リスニングをしながらメモ?そんなのムリだよ!」という方もいるかもしれません。
けれども、別に丁寧な字でゆっくり書く必要はありません。速記をするつもりで、必要な情報を大まかにメモしておけばいいのです。
仕事中に電話がかかってきたとき、まずはメモを手元に置いて内容をメモしますよね。僕はそれと同じことを言っているのです。聴き慣れた日本語の電話ですらメモを取るのですから、外国語のリスニングならなおさら必要です。ぼうっと聞いているのは、今日でおしまいにしましょう。
ポイント
リスニングは問題文を予習して、木と森を判別!メモも駆使して聞き逃しをなくそう!
スポンサーリンク
番外編:⑤映画字幕リスニング
これまでは勉強チックな内容のトレーニング法をお教えしましたが、最後に少し楽しめるような勉強法をお教えします。
それは、「映画を英語の字幕をつけて見る」という方法です。
好きな洋画を見る際、吹き替えや日本語字幕ではなく、字幕を「英語」にして鑑賞するのです。
すると、映画のセリフと一緒にスクリプトが自動で流れるので、とても効率のいいリスニングのトレーニングになります。辞書などを片手に持って、分からない単語を調べるのも有効でしょう。
ただし、ネイティブが喋る映画のセリフは非常に速く、聞き取るのは簡単ではないので、まずは内容をよく知っているお気に入りの映画から始めるのをおすすめします。
まとめ
リスニング上達のヒケツ
- リスニングの練習は、愚直なまでの「シャドーイング」と「速読」が効く!
- 速さに慣れたいなら「高地トレーニング」!自分を追い込め!
- リスニングは「木と森アプローチ」と「メモ」を武器に意識して聞く!
- 勉強に疲れたら「英語字幕リスニング」で息抜きを!
いかがでしたでしょうか。記事の内容をまとめてみると、上のようなポイントになります。
英語の学習は、何事も「慣れ」が大切。一見地味に見えるような練習もありますが、愚直に練習を続けることで、リスニングの処理能力は確実に上達していきます。一緒に頑張りましょう!
スポンサーリンク