第3回の記事では、英検3級に突然チャレンジし、なんとか合格した話を書きました。今度は、そこからさらに学習を続け、飛び級で2級までを取得するに至る経緯を書きます。
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2級を目指すことを決意
ちゃっかりと3級に合格した私は、すっかりと調子に乗り、今度は準2級を飛び越え、高校卒業レベルである2級の取得に乗り出しました。
中学2年生の私が突然高校卒業レベルの級を受けようとするのもバカな話ですが、あえて高いハードルを設けることで学習のモチベーションを作ることができた気がします。
相変わらず問題集をやるしか能がなかった私は、早速2級の問題集を購入し、解き漁ろうとしました。
しかし、問題集を開いた瞬間、ある事実に気付きます。
「自分には難しすぎる」
という事実です。
長文やリスニングのレベルはもちろん格段にアップしており、自分が学校で習っていたレベルを遥かに逸脱していました。そして何よりハードルが大きかったのは、語彙のレベル。
高校レベルの英検2級ですから、単語も大学受験に対応できるレベルまで出題されます。そんな試験を、出来損ないの中学生が解けるはずはありませんでした。
魔法の単熟語集「DUO」との出会い
そんな中、私は大学受験中だった兄弟の参考書の山から、ある一冊の本に出会います。その本の名前は「DUO」。
この本は、位置付けは単なる単熟語集。大学受験や英語学習の参考書コーナーに、よく置いてある参考書です。
しかし、この本にはある大きな特徴があります。
それは、「600本の例文の中に、覚えるべき単熟語が散りばめられている」という所です。
どの単語集にも例文はありますが、それは1単語につき1本の例文。
しかしDUOの例文は、1つの文に5個くらいの単熟語が凝縮されており、文を一本覚えれば自然と沢山の単語を覚えられるというシステム。
そんな例文が、重複なく、自然な意味になるように作られている点で、驚くべき構成力と言えます。
ここでも文を丸暗記
さて、やってきました。バカの一つ覚えは私が大得意とするところです。DUOのシステムに感動を受けた私は、早速CDを購入し、勉強を始めました。
その勉強法とは、
という誰でもできる方法です。
「600本の例文」って、そんなの覚えられるの?と半信半疑な私でしたが、毎日CD音読法を繰り返しているうちに、不思議なことが起こります。
なんと、DUOの例文一つ一つが、自然と暗唱できるようになったのです。
これは自分でも不思議でしたが、人間の頭にはすごい能力があるものです。
何度も見返したお気に入りの映画のセリフは、自然と覚えてしまったりします。
それと同じようなことが起きて、DUOの例文がいつのまにか頭に入ってきたのです。
語彙の壁を踏破
大学受験程度の単語力があれば、日常生活にも必要最低限の語彙は手に入れたといえるでしょう。
しかし、その壁は高く、多くの学習者にとって難関になるのも事実。
いわば、学習者を待ち受ける”北壁”です。
しかし、半年程度のDUOの決死行の結果、驚くべきことにその単語力があっという間に身についてしまったのです。
今考えると奇跡のように思えることですが、「CD音読勉強法」と「DUO」の組み合わせが、そこまでのポテンシャルを持っていることもまた事実。
大学受験生にも劣らない豊富な語彙力を身に着けたことは、英語学習に大きな変化をもたらしました。
2級の試験問題も”へっちゃら”
中学生の私にとって、高校レベルの2級は確かに難関でした。長文の長さやリスニングのスピードなど、ついていけない面があったのは事実です。
もちろんその壁を乗り越えるために、たくさんの問題演習が必要だったのは事実。(詳細なコツについては、ストーリー形式が終わり次第紹介していきます)
けれども、2級を十分カバーする語彙力を身に着けた私には、「格上の級」などという意識はすっ飛んでいました。
それもそのはず、英語の基本的文法事項は3級レベル(要するに中学卒業レベル)でほとんどカバーされています。
ですからあとの級で必要なのは、語彙力やリスニング力、長文読解力などの能力。要するに、中学で身に着けた「型」をどう応用するかという話です。
「型」である文法事項を身に着け、「語彙力」という鎧に身を包むことで、2級と十分に戦える土俵に上がることができたのです。
鎧に身を包んで土俵に上がる、という表現はおかしいですね。相撲に鎧はいりません。
正しくは、「語彙力」というまわしをつけて土俵に上がる。でしょうか。違うな。
それとも、「語彙力」の鎧に身を包み、「合戦場に馳せ参じたのでござる」とでもしておきましょうか。
(どうでもいいよ)
単語を網羅することは、「ゴキブリ退治」だ
前話でも軽く触れましたが、英語の運用に「語彙力」は欠かすことが出来ません。逆にそれさえ身に着ければ、かなり広い世界が見えてきます。
例えば長文を読んでいるとき、中核となる文の中に一個だけ意味を知らない単語があったとします。
すると頭の中は「???」となり、わかりそうだった文もチンプンカンプンに思えてしまう経験はありませんでしょうか。
逆にその意味さえ調べれば、「あっ、そういうことか」とすっと腑に落ちることが多々あります。
これは夜、寝室でゴキブリを見つけてしまったとき同じです。
いい気分でベッドに入ろうとしたら、カサコソと音がする。何かと思ってみたら、ゴキブリがササッと走り、家具の隙間へと消えていきました。
相手はたかがゴキブリ一匹ですが、それだけで私たちは臨戦態勢にならざるを得ません。
居場所がわからないゴキブリの存在は非常に不気味だし、寝込みをGに襲われるのはたまったもんじゃありませんからね。
でも、そこで無事に発見し、退治することが出来れば、夜は安心です。ぐっすり寝れるでしょう。
ゴキブリ1匹で部屋全体が恐怖の空間になってしまうように、たった1個の単語で長文が意味不明になってしまいかねないのです。
長文読解で知らない単語がない状態というのは、いってみれば「寝室のゴキブリを完全駆除した」後のほっとした状態と同じです。
破竹の勢いで2級・準1級を突破…その先は?
うまく行き過ぎな気もしますが、そんなこんなのうちに、2級を突破。さらにトレーニングを積んだ結果、中学3年には準1級の取得にも成功しました。
そこで見えてきたのが英語資格のきらめくベンチマーク「英検1級」。
専門的な語彙力も要求されるかなりの難関資格です。
でも当時の私には、そんなレベルの級に挑戦しようという気持ちは起こりませんでした。
「このくらいでいっか」
そう思いかけた私を変えたのが、私が通っていた塾の先生の一言でした。
単語集を渡され、1級取得を決意
準1級を取得後、塾の先生にも「もういいっすよ~」と弱音を漏らしていた私。
実際、専門用語などを覚える必要のある1級を受けるつもりはありませんでした。
しかし、そんなある日、塾の先生からある小包を手渡されます。
「ま、まさか…金ッ?」
意味ありげな小包に、期待を高鳴らせた私。まさか、準1級を突破したご褒美のお小遣いか?
とワクワクしながら、小包を開けてみました。
そこに入っていたのは、なんと一冊の本。
「英検1級単熟語」という単語集でした。
「これをタダでやるから、1級を受けてみろ」
なんと小包の中身は、単語帳という名の残酷な?お小遣いでした。
先生にタダで本を貰ったからには、受けないという選択肢はナシ。
今思うと、この先生の行動が無ければ、1級を受験することも無かったかもしれません。
そんなきっかけから、1級を受験することに決めた私。
しかしこの時の私には、この先に待ち受けている大いなる困難を予想すべくもありませんでした。