元湯・陣屋とは
「元湯・陣屋」は、神奈川県秦野市にある高級温泉旅館。
小田急沿線の鶴巻温泉という街にある、老舗の温泉旅館です。
この陣屋、もともとは鎌倉幕府時代の武将、和田義盛公の陣地跡地だった場所を三井財閥が開発し、寮にしたもの。それからおよそ100年の時を経て、現在は高級旅館として名を馳せています。
この陣屋、将棋のタイトル戦などの対局会場として使われることが多い有名な場所。しかしホンダのエンジニアだった現社長が引き継いだときには、10億円の借金を抱える大ピンチの状況でした。
社長が徹底したIT化と経営改善を推し進め、高級路線を目指した結果、メディアに取り上げられるほどの復活を遂げ、人気高級旅館としての現在の姿に至ったのです。
ふるさと納税で泊まれる!
そんな「元湯・陣屋」ですが、1泊3万円以上するような高級旅館ですから、なかなか簡単に行ける場所ではありません。
ですが、神奈川県秦野市のふるさと納税で宿泊チケットを貰うことができるそうなのです。
どうせ消えていく税金で高級旅館に泊まれるなんて、夢のような話。26万と非常に高額な寄付金額ですが、年末で寄付金額の上限に余裕があったので、ぽちっと申し込んでしまいました。
元湯陣屋 客室タイプおまかせと人気・特選会席料理を堪能一泊二食2名様プランーふるさとチョイス
実際に宿泊してみた
横浜から車で1時間足らず。いかにも昭和っぽい「鶴巻温泉」という案内の看板が現れました。
マンションが立ち並ぶ普通の住宅街のなかに、「陣屋」はあります。温泉街とはいっても、今や衰退し、普通の街になってしまったようです。
送迎用のロールスロイスも並ぶエントランスには、小さな太鼓が。お客さんが到着する際は、太鼓を鳴らして出迎えてくれます。
これは、1952年に起きた将棋の対局拒否事件「陣屋事件」をきっかけに設置されたものだそう。ユニークな歓迎ですね。
玄関へ向かって歩みを進めると、空を覆う大きな楠の木が現れました。これは、「トトロの木」と呼ばれています。
「ん?トトロ?」と思ったかもしれません。確かにジブリ作品に出てきそうな大きな木ですが、理由はそれだけではありません。
この「陣屋」は、あの宮崎駿監督が幼い時に過ごしたことがある場所。というのも、陣屋のオーナー家は、宮崎監督と親戚関係にあるのです。「トトロ」に出てくる大きな木も、こうした陣屋を囲む自然にインスピレーションを受けて描かれたといわれています。だからこのクスノキが「トトロの木」と呼ばれているわけですね。
鶴巻温泉は、世界最高濃度のカルシウムを含む温泉。小径には、飲泉できる温泉の井戸がありました。
廊下には、武具や将棋の対局の写真など、歴史的な資料の数々が。
旅館と言えど、博物館としても十分見ごたえがあるのではないかと思えるほど、たくさんの物品が展示されています。
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客室
今回利用したお部屋「若紫」は広々とした和モダン風の作り。畳の部屋(写真を撮り忘れた)はもちろん、ベッドルームもありました。
広い庭園に囲まれたお部屋には、客室露天風呂が。
自然に抱かれて入浴する時間はまさに至福。大きなお風呂ではありませんが、もうこれで贅沢すぎるといっても過言ではありません。
温泉
露天風呂
陣屋には、宿泊者専用の露天風呂があります。
案内に従って森の小道を歩いていくと……。
こじんまりした露天風呂が姿を現しました。
お風呂は誰もいない貸切状態。20室しかない旅館なので、お風呂を利用した時はつねにそんな状態で、気を遣わずに済みました。
大浴場
他には、半露天風呂風の大浴場もあります。
ちなみに、基礎化粧品やシャンプーなど、お風呂や部屋のアメニティーはすべて「マークスアンドウェブ」のもの。同社は女性に大人気のスキンケアブランドで、使い心地や香りが抜群に良かったです。
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食事
ふるさと納税は夕食・朝食付きのプランでしたが、目にも美しい料理の数々が並びます。
ドリンクバーには源泉も用意されていました。
庭園
陣屋の周りには、広大な庭園が広がっています。広い池には、鯉が泳いでいました。いかにも日本庭園といった感じで、芝の日本料亭「とうふや うかい」の庭園を思いださせるような風情です。
感想
神奈川の小田急沿線にあり、普通にマンションなどが立ち並ぶユニークな温泉街である鶴巻温泉。長い歴史に育まれた「陣屋」は、そんな賑わいの一角にありながら、広大な庭園を擁するれっきとした高級旅館として存在感を醸し出していました。
その存在はまるで異空間。一歩玄関に足を踏み入れると、まるで遠くの温泉街に来てしまったかのような錯覚に陥ります。しかもふるさと納税なので、実質タダ。こんなにおいしい体験をしたのは初めてです。
また陣屋では、日帰りプランなども用意されているため、宿泊するのが難しい方も陣屋の温泉や雰囲気を感じ取ることが出来ると思います。
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